コーチング入門
コーチングとは、「会話を重ねることを通じて、相手の可能性を引き出し、相手の自発的な行動変革を促すこと」です。
ビジネスの世界では、パフォーマンスをあげる、そのための人材を育てる一つのスキルとして、多くの企業が導入し始めています。
例えば、ここでいう“相手の可能性”の“相手”とは誰でしょうか?
企業で言えば、“相手”は、“部下”もしかしたら“上司、共に仕事をする関係者などに当てはまることと思います。
あなたの現状確認
ここで、あなたの今の状態を確認してみましょう。
「あなたは今、部下にどんな態度をとっていらっしゃいますか?」
「あなたは、部下にどれだけ声をかけていますか?」
「あなたは、部下のことをどれだけ知っていますか?」
「あなたは、部下にどんな声で話していますか?」
「あなたは、部下の話をどんな表情で聞いていますか?」
また、“相手の自発的な行動変革を促すこと”の、“自発的な行動”とはどんなことでしょうか?
企業でいえば、“指示命令”で動くのではなく、“自らで決めて”動くことをいいます。
あなたの部下の確認
ここで、確認してみましょう。
「あなたの部下は、どれだけあなたに相談していますか?」
「あなたの部下は、どんな時に自ら行動を起こしていますか?」
「あなたの部下は、どんな時にやり続けていますか?」
一方的な会話
以下は、ある企業のマネージャーと部下との会話のやりとりです。
K部長:「あれ、どうなった?」
Sさん:「あれって、何ですか?」
K部長」「あれも分からんのか、あれだよ。」
Sさん:「あれと言われても・・・」
T部長「おまえ、また最近売り上げ上がってないな。どうした。」
Oさん「はぁ、ターゲットになりそうな客を増やして回ってるんですが・・・。
結果が出ないんです。」
T部長「何やってんだ。こんな時間に事務所にいて、結果も出るわけないだろう。
それに情けない声だなぁ。
それだから売り上げも上がらないんだろ。
俺のときは夜遅くまで客先を回ってたもんだ。
それじゃ、売り上げも上がらんに決まっとるだろ」
Oさん「はぁ・・・・そうは言われても・・・・・」
こんな会話に思い当たるところはありませんか?
この会話は部下の話を聞こうともせず、一方的に上司が部下に対して話をしています。
質問を交えた会話
この会話に、質問を入れてみるとどうでしょうか?
例えば、T部長とOさんの会話です。
T部長「おまえ、最近売り上げが上がってないな。どうした?」
Oさん「はぁ、ターゲットになりそうな客を増やして回ってるんですが・・・。」
T部長「今、何か抱えていることでもあるのか?」
Oさん「実は、回っているエリアで、Aという会社と競合してて、
それで思うように契約がとれないんです」
T部長「Aという会社と競合かーー。A社はどういう内容で回っているんだ?」
Oさん「うちよりも安く、他の条件面でもこんなにいいんです。」
T部長「そうかーー、君は、それに対してどんな提示をお客様にしたの?
そのときのお客様の反応はどうだった?」
Oさん「検討するということでした。
反応は、自分は五分五分かと思ってたんですが」
T部長「そのときは、五分五分と思ったんだ。
そんなふうに君は感じたんだ。
今回契約できなかった一番の理由は何だと思う?」
Oさん「今思えば、A社よりもお客様へのフォローが足りなかったように思います」
T部長「そうか、フォローが足りなかったと思うんだ」
Oさん「はい、そう思います。
お客様とはいい関係を築けていたし、契約できたように思うんです。」
T部長「そうかーー。 そしたら次回に活かそうよ」
いかがですか?
前の会話と、上記の会話と比べると何が違っていますか?
相手にあった質問を入れるだけで、部下は話をはじめます。そんな環境は上司自身が簡単に作り出せるのです。
上司と部下のちょっとした会話によって、部下自身が考え、答えを見つけ出し、次の行動への促進させることができるのです。上司からの会話に効果的な質問が加わることで、部下の意識が部下自身の目標に向けられることに気付かれたかと思います。
これがコーチングなのです。
まとめると
人は、他人から言われて動く生きものではありません。動いたとしても、一時的なことで決して長続きはしないのです。
人は、自ら考えた内なる動機にだけ納得して、そして継続して動くことができるのです。
上司が部下に対して、質問を使って問いかけることで、自分自身の目標がより明確になり、目標に意識して動けるようになるのです。
パフォーマンスがあがる結果へと結びつくのです。
ここで、
もしかしたら、「できる部下」・「できない部下」と分けて対応していませんか?
人は誰もが無限の可能性を持っています。「できる部下」・「できない部下」と分けているのは、上司であるあなたの勝手な解釈で振り分けているだけかもしれません。

